沖縄にルーツをもつクィアとして。アメリカ大使館前でのスピーチ2023/12/30

 



オリーブの枝の絵 FreePalestine PALESTINE @ceciliacorzo @flyers_for_falastin 





2023年12月30日、アメリカ大使館前でパレスチナ虐殺に抗議する集会が行われました。

そこで代読してもらうために書いたスピーチ原稿をブログにもアップします。

(アメリカ大使館前での抗議行動では警察による強制的な排除が行われ、予定とは違う場所でやることになりました。その影響でこのスピーチを読む時間が無くなってしまいました。)


【沖縄にルーツをもつクィアとして。】


わたしは沖縄にルーツをもつクィアとして、アメリカ政府とイスラエル政府による恥知らずな振る舞いを最も強い言葉で批判します。


20.000人以上が殺されている現状でなおもガザへの爆撃を続けるイスラエル軍およびそれを支持するアメリカ政府に言葉に言い尽くせないほどの怒りを感じています。

「パレスチナ人であるというだけの理由で数分ごとに人が死んでいる。」という圧倒的に間違った状況なのに、世界で一番力をもつ国 「アメリカ」はそれを支持し、停戦をさせないようにさえしている。

ふざけないでほしい。

いい加減にして欲しい。

本当は一人だって殺されるべきではないのに、すでに20000人以上も死なせて、さらに続けるのですか。


シオニズムと植民地主義、そしフェミニズムについてお話しします。 

まずシオニズムと植民地主義について。

 わたしは、シオニストであり人種差別者であるラーム・エマニュエル氏が駐日アメリカ大使として職務を与えられている現状を強く批判します。 

ラーム氏は、罪のない17歳の黒人少年ラクアン・マクドナルドさんがシカゴ 警察官により16発の銃弾を撃ち込まれた時にその証拠を隠蔽しようとした 「元シカゴ市長」です。

バイデン大統領が彼を駐日大使に指名した時、ブラック・ライブズ・マターを支持するアメリカ市民たちは強く反対しました。 


パレスチナとBLMには繋がりがあります。逆にいうとそれは、アメリカの権力とイスラエルの権力の間に、切ってもきれない繋がりがあるということです。

ミネソタの警察官は9分にわたって膝で首を押さえ、ジョージ・フロイドさんを殺害しました。この拘束方法はイスラエル空軍によって開発されたものと言われています。つまり、パレスチナで「研究」されてきた暴力がアメリカにも輸入され、マイノリティに対して「活用」されてきたということです。


言うまでもなく、差別と差別は繋がっています。

人種差別は他の人種差別と繋がっていて、人種差別と性差別・性暴力は繋がっていて、どれも同じ根っこを共有しています。

だからこそ、私たちは差別の構造を見極めて、適切に闘っていく必要があります。


ラーム氏は、明確なシオニスト(ザイオニスト)です。

日本の右翼集団「幕屋」が多数参加するイスラエル支持行動に参加し、「日本のみなさんに感謝」「ガザと北朝鮮からの人質全員の無事帰還を祈ります。」とツイートしました。 わたしは、植民地主義の非道を見つめる日本国籍者の人間として、氏による 「イスラエルと日本を被害者と位置付ける情報操作」および朝鮮への 「差別煽動・犬笛」を批判します。何重にも卑劣な行いであり、許せません。


わたしは、アメリカの兵器によって爆撃された沖縄の民間人の子孫として、ガザの人々に連帯します。

アメリカによって、あるいは日本政府によって土地を奪われた沖縄の人々の顔を思い出しながら、入植者に脅かされている西岸地区の人々に連帯します。

同時にわたしは、イスラエル政府が進め、アメリカがそれを支える現在進行形の「大量虐殺」の中に、かつて日本軍がアジア諸国で行った非道を見ます。

形を留めないほど破壊された家、道、人、動物たちが散乱する風景は、かつてわたしの祖先たちが重慶や南京で見た風景に近いものだろうと想像します。

誰もそれを繰り返すべきではない。


次に植民地主義とフェミニズムについて。

わたしは、性暴力に反対するクィアなフェミニストとして、イスラエル政府がパレスチナの人々に行っている性暴力、およびこれまでの歴史の中で行ってきたすべての性暴力を、最大の言葉で批判します。 

NGO「セーブザチルドレン」によれば、イスラエル刑務所内ではパレスチナの大人や子供が性的虐待を含む暴行を受けています。

 イスラエルやアメリカの広報担当者は「ハマスとレイプ」を結びつけようと 躍起になっていますが、その証拠は必ずしも確認されていません、。しかし、逆のことについてはたくさんの証拠があります。これまでイスラエルがパレスチナの人々に対して行ってきた性暴力の証拠・証言は数えきれないほどあるのです。


 過去に遡ると、1948年に起きた「デイル・ヤシン」での虐殺が性暴力を伴ったことは広く知られていますが、同じようなことがあらゆる場所で、途切れることなく起こり続けています。

止めない限り、今日も明日も起こり続けるでしょう。


わたしは「従軍慰安婦」とされた方々への対応を頑なに拒む最低な国の人間として、ハッキリとこのことを言わなくてはなりません。

「性暴力を伴わない植民地主義」なんてないと。

わたしは旧日本軍が行った戦時性暴力を決して忘れないし、アメリカ軍が日本や沖縄で行ったことも、決して忘れません。

正当化できる性暴力なんて無いし、無視していい性暴力もない。

だからこそ、いますぐにパレスチナの人々が直面し続けている状況を変えたいんです。

パレスチナで行われているあらゆる形態の暴力を批判せずして、どうして「フェミニスト」を名乗れるでしょう。


フェミニズムやジェンダーの平等なくして、植民地主義の克服はあり得ません。そして、植民地主義や人種差別の克服なくして性暴力の撲滅やフェミニズムの実現もありえません。


 わたしは今日、重い生理痛に苦しむパレスチナの人の「ナプキンすらない」という ツイートを読みました。電気を止められた保育器の中で腐敗した子供たちの映像を見ました。検診に行く臨月のパレスチナ人が殺害されるのを見ました。アメリカの政治家やフェミニストのいう「『すべての人の』セクシャルヘルス&ライツ」にパレスチナの人たちは含まれないのですか? 「すべての女性」にパレスチナの女性は含まれないのですか?「すべてのクィア」にパレスチナのクィアは含まれないのですか?

ジョーバイデン氏をはじめ、ヒラリークリントン氏をはじめ、虐殺を止めようとしない政治家やフェミニストは恥を知れ、と心の底から思います。



改めて言いますが、パレスチナの人々が解放されるまで、私たちのだれ一人として本当の意味で「自由」ではありません。

アメリカの政治家から聞かされる「人権」や「自由」や「平等」の空虚さにはもうウンザリです。欺瞞でしかない。


わたしたちは本当の自由を求めます。

すべての人にとっての自由を求めます。

わたしは、クィアな沖縄ルーツのフェミニストとしてイスラエルとアメリカのピンクウォッシングに反対します。そして、植民地主義に抗い、世界の民衆と連帯するフェミニストとして、「シオニスト」ラーム・エマニュエル駐日アメリカ大使の退任と、彼を任命し停戦を拒み続ける「シオニスト」ジョー・バイデンの退任を求めます。


今すぐ停戦を。 

今すぐ「恒久的な」停戦を。

虐殺やめろ。


Free free palestine.

From the river to the sea,palestine will be free.


お読みいただきありがとうございます。



春日そら



以下参考資料


・ラーム・エマニュエル新駐日アメリカ大使がアジア系蔑視発言 黒人少年射殺事件の証拠も隠蔽か |FNNプライムオンラインhttps://www.fnn.jp/articles/-/183368

・新たな「駐日大使」に指名反対相次いだ深刻理由 スーパースターと言われた元 シカゴ市長の過去 | 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/507605

・シカゴ警察に根強い人種差別=報告書 |BBCニュース https://www.bbc.com/japanese/36043225


・ラーム・エマニュエル駐日アメリカ大使11月12日tweethttps://x.com/USAmbJapan/status/1723621019733393755?s=20

           

・「イスラエル刑務所内の暴力と虐待 セーブザチルドレンによる報告」

Save the Children International

Stripped, beaten and blindfolded: new research reveals ongoing violence and abuse of Palestinian children detained by Israeli military | https://www.savethechildren.net/news/stripped-beaten-and-blindfolded-new-research-reveals-ongoing-violence-and-abuse-palestinian?s=09

Atsuko.Sさんによる日本語訳https://x.com/atsyjp/status/1727625928673775760?s=20


・(ジョージ・フロイドの殺害とイスラエルの関係について指摘するロジャー・ウォーターズのインタビューNME Japan

https://nme-jp.com/news/90441/

    (※ただし、当該タイトルは反シオニズムを反ユダヤ主義と混同する不適切なものので注意が必要)


・画像は @flyers_for_falastinより@ceciliacorzoさんの作品をお借りしました。

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